展示(資料館・主屋)

 4月より、資料館の展示と共に、主屋の展示をする事になりましたので、主屋と資料館のセットで入館して頂くことになります。

雨岳文庫 展示、開館 案内
開館日時  毎週、日曜日  10:00 -- 15:00(
最終入館時、午後3時)     
※上記日曜日でも、主屋を使った行事などで臨時休館することがあります。3月の開館日:1日、7日、8日、14日、15日※27年3月の開館日 
※休館日の見学については、開館を伴った行事や前もって決められている開館日のときなどを除いて、当方の都合が付けば、対応できることがありますので、
 電話にてお尋ね下さ い。

 TEL 0463-95-0002 (山口) 

 資料館の展示
第二回 相州自由民権資料展(2020年8月、9月)
第4回大山道展    交通の変遷と大山道2
★二の鳥居の図面や上棟の時の鏑矢、幣
★大山山麓のジオラマ

 主屋の展示
★建物の展示(一階)地代官所跡としての家の造作(書院つくり)、
 捕り物道具・火消道具など
★建物の展示(一階)自由民権運動講学会などに使用した部屋。
 女性解放運動の草分け中島湘烟の書のある襖、
 民権結社『湘南社』の後ろ盾、第3代神奈川県令、初代衆議院議長中島信行揮毫の扁額
★建物の展示(二階)お殿様(領主間部氏)の休息室(数奇屋造り)
★建物の展示(二階屋根裏部屋)相州最初にして最大の民権結社『湘南社』社長山口左七郎の勉強部屋
★建物の展示(一階はなれ)宮様(梨本宮、李王殿下、閑院宮など)の休息室
★資料の展示(一階居間)自由民権資料 
 (西洋事情 原本、 国会開設建白書、 湘南社規約、      湘南講学会規則書)

【連絡先】 
 Tel  0463-95-0002(雨岳文庫、山口)
 e-mail : ugakunokai@coffee.ocn.ne.jp

入館料】
  山口家住宅        300円
   < 団体(20名以上)   一人50円 割引き >
  ※
 中学生以下   無料
    雨岳文庫・友の会会員   無料
    雨岳自然の会の会会員  無料
  資料館  資料館のみ入られる方は、100円いただきます(主屋見学の方は、300円に含まれます)。

      資料館(入り口は左手)




会報・雨岳文庫・資料館
 

雨岳文庫資料館 第6回企画展          

第4回大山道展    交通の変遷と大山道2

           

 
   開催にあたって

 「参詣道の石段」と「バス路線延長の歴史」

 

大山の繁栄には、人をひきつけて止まない秀麗な姿と、古くからの信仰的な背景が結びついた「大山の魅力」に加え、門前町の人々の地道な活動が寄与しました。すなわち「御師(おし)の布教・勧誘活動」、

「参詣道の石段の整備」、「(バス路線延長のための)石段から坂道へ」、「関東大震災の壊滅的被害からの復興」などが大きな役割を果たしていたのです。

大山参詣道は、大正初期までは、子易明神から先は石段のある坂道でした。この石段は参詣者のために、人々が何年もかけて総出で作り上げ、補修を加えて維持管理してきた賜物です。

しかし、この石段も交通が発達すると障害になってきました。そのため石段は参詣道沿いの人々によって取り外され、失われていきました。今回は、その失われた「石段の再現」を試み、「石段から坂道へ」、「バス路線延長」の歴史について紹介します。

 



前回の「交通の変遷と大山道1」の展示内容

1.交通の変遷と大山道

江戸・明治と大山参詣の人々は、矢倉沢道(青山道)や東海道の戸塚、藤沢からの大山道(戸田道、田村道)を徒歩でやってきました。
明治20年(1887)、東海道線平塚停車場の開業は、今までの大山参詣ルートを大きく変え、平塚停車場が多くの参詣者のスタート地点となりました。昭和2年(1927)、小田急線が開通すると、今度は大山参詣の玄関口は伊勢原駅となりました。「江戸時代の平塚道」では、『迅速測図(明治15年測量)』に、『新編相模国風土記稿』などにより、伊勢原・平塚周辺の大山道と往還を表示しました。併せて、往時の景観を『相中留恩記略』の挿絵で紹介します。
 

見学風景
 
「現在の平塚道(旧大山道)と道標」では、伊勢原・平塚周辺の現在地図に道標位置と平塚道の道標写真を掲示します。併せて、『相中留恩記略』の挿絵に対応する現在写真をつけました。
 
2.平塚駅開業と小田急開通
明治20年(1877)7月11日、平塚停車場が開業すると、"平塚"が大山参りの表玄関になりました。『東海道唱歌汽車』(明治42年/1909発行)の歌詞に、「大山参りの平塚に、下車する人数夏多く、鴫立沢と西行庵、大磯駅の名所なり」とあります。
「平塚駅開業」では、平塚駅周辺の往時と現在の写真を対比して紹介します。
「小田急開通」では、伊勢原駅周辺と伊勢原市街地の往時の景観を紹介します。江戸時代の大山街道・伊勢原宿の面影を残した"明治時代の伊勢原大山街道の街並み"の写真や小田急開通の頃の伊勢原駅の写真が残っています。
 
見学風景
 

3.バス開通(伊勢原から大山)の歴史
大正9年(1920)3月、伊勢原自動車運輸が設立され、平塚から伊勢原と伊勢原から大山(子易)のバス路線が開通しました。昭和10年には、大山駅(清水屋前)まで開通しましたが、終点の大山ケーブル駅まで開通するのは、昭和42年です(小田急50年史による)。実に47年の歳月を要しました。その歴史をたどります。
 
4.大山道・間部領の山口家所蔵の高札

高札場は大山道沿いの3ヶ所(峰岸・七五三引・石倉橋)にありました。江戸時代の高札2枚、明治時代の高札10枚、計12枚の高札が残っています。明治の高札は、いわゆる「五榜の掲示」といわれるもので、明治政府の対民衆政策の基本を示したものです。第一には五倫の道を勧め、殺人・放火・窃盗の禁止。第二は徒党・強訴・逃散の禁止。第三は切支丹禁止です。この3つは旧幕府の伝統的な庶民統治策を継承したもので、定三札とし永世法とされました。第四で開国和親、第五では士民の本国脱走を禁じました。この2条は覚札すなわち一時の掲示とされました。

 
5.文芸作品と大山

大山詣りは、小説にも登場します。『宝船まつり(平岩弓枝著)』、『雨降りノ山(佐伯泰英著)』、『刺客 用心棒日月抄(藤沢周平著)』などを紹介します。また、落語『大山詣』はよく知られています。熊さんのかたき討ちの一席、CDでお楽しみ下さい。

 

 
主催:NPO法人雨岳文庫を活用する会
  展示企画:伊勢原歴史アドバイザー「アドおおやまみち」
  展示・製作:アドおおやまみち・雨岳文庫クラブ
後援:伊勢原市教育委員会
協力:いせはら観光ボランティアガイドツァー&ガイド協会